お茶の産地｜神奈川県

神奈川県のお茶について

概要・データ

神奈川県は、温暖な気候と豊かな自然環境を背景に、高品質なお茶の生産地として知られています。中でも、足柄茶は神奈川県を代表するお茶の一つで、足柄平野の肥沃な土壌と富士山の伏流水が育む豊かな風味で評価されています。

生産地域:

足柄茶は、神奈川県の山北町、松田町、南足柄市、開成町、中井町、小田原市、湯河原町、真鶴町、秦野市、厚木市、愛川町、清川村、相模原市など、丹沢箱根山麓一帯の地域で生産されています​​​​。

生産量と販売:

2021年度の足柄茶の生産者数は約294名、栽培面積は約114ヘクタール、出荷量は約101トンで、主な出荷先は神奈川県内です​​。荒茶の生産量は146トンで全国18位となっています。

農林水産省：作物統計より

神奈川県のお茶の歴史

神奈川県でのお茶の栽培は、江戸時代にさかのぼります。足柄茶の栽培地である足柄平野は、古くからの茶産地としてその歴史を有しており、伝統的な製法が今も続けられています。この地域独特の気候と土壌が、足柄茶の風味を形成する重要な要素となっています。

また、神奈川県のお茶の歴史は、特に横浜港の開港と深く関連しています。1859年に横浜港が開港して以来、絹と並んでお茶が主要な輸出品となりました。日本中から集められた荒茶は横浜に運ばれ、製品化されました。横浜市内には多くの「お茶場」と呼ばれる製茶工場があり、そこで荒茶が紅茶や中国茶に加工されていました。この時代、お茶の製造に従事する女性たちは、毎朝横浜公園に集まり、お茶作りのための厳しい労働に従事していました​

神奈川県のお茶の銘柄

足柄茶（あしがらちゃ）

足柄茶は、霧深い気候と清らかな水に恵まれた神奈川県の丹沢箱根山麓地域で生産されています。この茶は、甘味・旨味・渋味のバランスが良く、ふくよかな香りと深いコクが特徴です。生産者は環境への配慮を重視し、農薬使用を抑え、生産履歴の記録を義務付け、安全で高品質な茶の製造に取り組んでいます。また、足柄茶は地域団体商標に登録されており、生産地指定や計画生産に力を入れています​​​​。

神奈川県のお茶の品種・製法

神奈川県で生産される足柄茶の主な品種には、「やぶきた」や「さえみどり」などがあります。これらの品種は、足柄平野の気候と土壌に適しており、高品質な茶葉を生産するのに役立っています。製法に関しては、伝統的な蒸し製法が用いられており、茶葉の鮮やかな緑色と深い風味を保持しています。

福岡県の地域団体商標されている日本茶の銘柄（地域ブランド）

商標登録第5061753号　足柄茶（あしがらちゃ）

商標	足柄茶
権利者	かながわ西湘農業協同組合（神奈川県小田原市鴨宮627番地） 厚木市農業協同組合（神奈川県厚木市水引2丁目10番38号） 秦野市農業協同組合（神奈川県秦野市平沢477） 神奈川つくい農業協同組合（神奈川県相模原市津久井町中野550番地）
指定商品又は指定役務	神奈川県内で生産された茶を神奈川県足柄地域で仕上げ加工した緑茶
商品・サービスの特徴	関東大震災の産業復興として始まり神奈川県丹沢・箱根山麓一帯で栽培され旨味・甘味・渋味のバランスのとれた味わいがあります。県下統一された指導のもと農薬の安全使用と環境保全型生産を行っています。