お茶(日本茶、緑茶)の種類知ってますか。煎茶、玉緑茶、抹茶、玉露、ほうじ茶、玄米茶、番茶など

あなたは普段飲んでいるお茶を意識したことはありますか。ひとことにお茶といっても、実は様々な種類に分類されることはご存知でしょうか。今回は、お茶の種類について、分かりやすく簡単に説明します。

※アイキャッチ画像は農林水産省緑茶の種類より引用(http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1704/pdf/1704_03.pdf

※使用している画像は農林水産省サイトより引用

http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1704/spe1_01.html

お茶の種類

まずは、お茶の全体像から見ていきましょう。

お茶の種類図

実は緑茶も紅茶も原料は同じです。チャの樹から収穫された茶葉を原料として、様々なお茶が製造されています。

普通(蒸し)煎茶

煎茶は日本茶の国内生産量の多くを占める、最も一般的な日本茶です。お茶といえば、煎茶のことを思い浮かべるほど、日常的にもよく飲まれています。静岡県や鹿児島県をはじめ、全国の茶産地で生産されています。新茶は特に人気があり、新茶の季節には多く市場に出回ります。煎茶は、普通煎茶と深蒸し煎茶に分類され、製造工程は一緒ですが、茶葉の蒸し時間によって分類されます。

普通煎茶の特徴

  • 葉の色 深い緑色
  • 茶のかたち 葉が針のように鋭い
  • 水色 黄色から黄緑色
  • 香り 清涼感がある
  • 味 渋みと甘みのバランスが良い

深蒸し煎茶

深蒸し煎茶とは、普通蒸し煎茶に比べ、蒸し時間が長い煎茶のことです。普通蒸し煎茶が30秒〜40秒であるのに対し、2倍から3倍程度長く蒸します。静岡県の牧之原台地や三重県などで生産されており、東京方面が主な消費地となっています。

深蒸し煎茶の特徴

  • 葉の色 黄色味を帯びる
  • 茶のかたち 細かくやわらかい
  • 水色 緑色に濁っている
  • 香り 普通煎茶よりも香りは弱め
  • 味 まろやかで苦渋味が少ない

蒸し製玉緑茶

玉緑茶とは、精揉機で揉まないため、形状が勾玉(まがたま)状にまがった丸形に仕上げられた緑茶の総称です。蒸し製と釜炒り製があります。蒸し製玉緑茶は、「ムシグリ」「ぐり茶」とも呼ばれることもあります。生産は、九州北部から中部で作られ、佐賀県(嬉野)が代表的な産地です。なお、精揉(せいじゅう)とは、茶葉を針状にかたちを整える工程のことをいいます。

蒸し製玉緑茶の特徴

  • 茶のかたち 丸みのあるかたち
  • 水色 黄緑色
  • 香り 普通煎茶に近い、清涼感のある香り
  • 味 渋みが少なく、まろやかな味わい

玉露

玉露とは、遮光下で生育した茶葉で作られ、強いうま味と甘味を持つ、日本茶の中でも最上ランクのお茶です。飲み方もコーヒーのエスプレッソのように少量で味わいます。海苔のような独特の香りとうま味が舌の上で広がるのが特徴です。主な産地は、福岡県八女市、京都府宇治市です。

玉露の特徴

  • 茶のかたち 煎茶よりもやや太め
  • 水色 淡い黄色
  • 香り 覆い香という海苔に似た香り
  • 味 うま味が濃厚で渋味が少ない

かぶせ茶

かぶせ茶とは玉露と同様に茶摘み前にチャ樹を覆って生育する茶葉から作られるお茶です。玉露が約20日前後被覆するのに対して、かぶせ茶は1週間〜10日ほどになります。お湯の温度で玉露のような味わいや煎茶のような味が楽しめます。

かぶせ茶の特徴

  • 茶のかたち 煎茶よりもやや太め
  • 水色 青みがかかった黄緑色
  • 香り 玉露の覆い香と煎茶の清涼感
  • 味 まろやかなうま味と渋味をもつ

抹茶(碾茶)

抹茶は「てん茶」というお茶から作られています。てん茶は、玉露と同じく被覆による生育を行い、玉露よりも5日間程度被覆期間が長いのが一般的です。手で摘まれ、蒸したあと揉まずに乾燥させて細かい茎や葉脈などを取り除いて作ります。そうしてできたてん茶を茶臼(ちゃうす)で細かく挽いたものを抹茶と呼びます。日本だけでなく、世界中で人気が出てきており、Matchaでも親しまれています。京都府宇治市が産地で有名です。

抹茶の特徴

  • 茶のかたち 粉状
  • 水色 明るい黄緑色
  • 香り 新鮮で若々しい香り
  • 味 濃厚で渋味甘味うま味のバランスが良い

番茶

番茶の呼称は地方によってかなり異なります。上級番茶、親子番茶、下級番茶、秋冬番茶と呼ばれ、いずれにせよ、摘採期、品質、地域などで日本茶の主流から外れた番外のお茶を指しています。地方番茶もあり、京番茶や美作番茶などが有名です。

ほうじ茶

ほうじ茶とは、番茶を褐色になるまで焙じて作るお茶のことです。下級番茶を主原料にしていましたが、近年は煎茶の大形のものや茎茶もほうじ茶に利用しています。炒る(ほうじる)ことによってカフェインが少なく、香ばしさとすっきりとした軽い味わいが楽しめます。刺激が少なく、胃にも優しいため年齢を問わず飲むことができます。

ほうじ茶の特徴

  • 茶のかたち 褐色で水分がない
  • 水色 明るく透明な茶色
  • 香り 香ばしい香り
  • 味 スッキリした軽い味わい

玄米茶

玄米茶とは、お茶と水に浸して蒸した玄米を炒ったものを1:1の割合でブレンドしたものです。炒り米のもつ香ばしい香りが特徴。ベースにするお茶によって味わいが変わるため様々な味を楽しめます。また、煎茶の量少なくなることから、カフェインも少なめです。

玄米茶の特徴

  • 水色 淡い黄緑色
  • 香り 香ばしい香り
  • 味 さっぱりした味わい

緑茶、紅茶、ウーロン茶の違い

緑茶、紅茶、ウーロン茶の違いは製造工程による違いで原料は変わりません。発酵しているかしていないかの違いです。「発酵茶」=「紅茶」、「不発酵茶」=「緑茶」です。そして、「半発酵茶」=「ウーロン茶」です。お茶の葉は摘み取ったあと、自然にしていると葉に含まれるタンニンという成分が発酵していきます。緑茶は製造工程で蒸す、煮る、炒るなどして火を入れることによって、発酵を止めます。この発酵作用を利用して作るのが紅茶で、途中まで発酵して作るのがウーロン茶となります。

日本で生産される紅茶

たまに和紅茶と呼ばれるものを見かけることがあります。和紅茶とは、日本において生産される紅茶のことをいいます。

抹茶、ほうじ茶、玄米茶は二次加工品

てん茶を茶臼で粉末にした抹茶、煎茶や番茶等を焙じたほうじ茶、焙煎した米を混合した玄米茶は煎茶や玉露と異なり、二次加工品として分類されることもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ひとことにお茶といっても、製造方法の違いで多くの種類があることが分かりましたね。これ以外にも、産地による違いや、品種による違いがあります。ぜひあなたの、お気に入りの日本茶を見つけてみてください。

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この記事を書いた人

日本茶発見メディア茶らぼ編集部

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