- 茨城茶(いばらきちゃ)
- 猿島茶(さるしまちゃ)
- 奥久慈茶(おくくじちゃ)
- 古内茶(ふるうちちゃ)
茨城県のお茶について
概要・データ
令和2年産の茶の生産に関する統計データは、全国の荒茶生産量が前年産と比べて15%減少したことを示しています。全国の茶の摘採実面積は約3万4,300ヘクタール、生葉収穫量は約32万8,800トン、荒茶生産量は約6万9,800トンとなっています。
また、令和3年産のデータでは、主産県の茶の摘採実面積は約2万8,800ヘクタールで、前年と比べて900ヘクタール(3%)の減少が見られました。生葉収穫量は約33万2,200トンで、これは前年産と比べて3万4,200トン(11%)の増加を示しています。荒茶生産量は約7万700トンで、前年産と比較して7,600トン(12%)の増加が見られています。
令和2年のデータによると、茨城県の荒茶の生産量は260トン、0.4%、全国16位というデータがあります。
農林水産省:作物統計より
茨城県のお茶の歴史
茨城県のお茶文化は、奥久慈茶、古内茶、さしま茶の三大銘茶に象徴されるように、深い歴史的背景と豊かな自然環境に根差しています。これらのお茶は、それぞれ独自の歴史と特徴を持ち、茨城県のお茶産業において重要な役割を果たしています。
奥久慈茶は、久慈郡大子町の山岳気候と土壌に恵まれた環境で生産されています。約400年の歴史を持ち、寒暖の差が大きい気候が特徴的な風味を生み出しています。
古内茶は、城里町古内地区で栽培されているお茶で、室町時代初期に栽培が始まったとされます。
さしま茶については、江戸時代後期に京都宇治から茶職人が招かれたことで、茶の栽培が広く普及しました。
これらの茨城三大銘茶は、茨城県の豊かな自然と長い歴史が育んだ日本茶の素晴らしい文化遺産であり、地域に根差した農業として今も大切に受け継がれています。
参照:茨城県農業総合センター「歴史ある産地で光圀が愛した茶の復活(2017年9月)」
奥久慈茶(おくくじちゃ)
奥久慈茶は、茨城県の奥久慈地域で栽培されているお茶で、約400年の長い歴史を持ちます。このお茶は、国内での経済的な栽培地域の最北限とされ、山岳地帯の寒暖差の大きな気候と小砂利まじりの土壌が、香り豊かでコクのある味わいを生み出しています。文禄二年(1593年)頃に京都の宇治から持ち帰られた茶実が植栽されたのが始まりとされ、過去に3度手揉み茶日本一に輝いた銘茶です。また、筑波大学の研究では、他の産地のお茶と比較してエピガロカテキンガレート(EGCG)が多く含まれていることが示されています。
古内茶(ふるうちちゃ)
古内茶は、茨城県西部の城里町で生産されており、室町時代初期に茶の栽培が始まったとされています。このお茶は、山に囲まれた地形と川霧が特徴的な環境で栽培されており、茶畑が霧に覆われることで太陽光が適度に遮られ、茶葉のうま味が形成されます。古内茶は、水戸藩第二代藩主・徳川光圀公にも愛され、その歴史的な背景にも注目が集まります。また、JA水戸古内茶生産組合が品質の維持に取り組んでいます。
さしま茶(さしまちゃ)
さしま茶は、江戸時代後期に京都宇治から茶職人が招かれ、宇治流の製茶法が導入されたことで栽培が広く普及しました。このお茶は、茨城県の佐竹地域で栽培され、約500軒の農家がやぶきた種を中心に栽培を行っています。元々は保内茶や保内郷茶と呼ばれており、現在ではその独特な製法と品質で知られています。さしま茶の特徴は、後味のすっきり感と甘みと苦味のバランスの良さにあり、水戸藩主徳川光圀公にも愛された歴史があります。
日本茶の産地まとめ
日本全国のお茶の産地を紹介しています。都道府県のリンクから詳細記事を読むことができます。
日本茶の銘柄まとめ
茶らぼでは、全国の日本茶銘柄の一覧をまとめています。
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都道府県 | 府県銘柄 | 銘柄|生産地名(地域)からの呼称 |
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北海道 | - | - |
青森県 | - | 黒石茶 |
岩手県 | - | 気仙茶、陸前茶 |
宮城県 | - | 桃生茶 |
秋田県 | - | 檜山茶 |
山形県 | - | 庄内産茶 |
福島県 | - | - |
茨城県 | - | 茨城茶、猿島茶、奥久慈茶、古内茶 |
栃木県 | - | 鹿沼茶・黒羽茶・(須香川茶) |
群馬県 | - | - |
埼玉県 | 狭山茶 | 狭山茶、河越茶(川越茶)、秩父茶、児玉茶 |
千葉県 | - | 佐倉茶、八街茶(やちまたちゃ) |
東京都 | 狭山茶 | 東京狭山茶 |
神奈川県 | 足柄茶 | 足柄茶 |
山梨県 | - | 南部茶 |
長野県 | - | 伊那茶、赤石銘茶 |
新潟県 | 村上茶 | 村上茶 |
富山県 | 富山茶 | バタバタ茶(黒茶) |
石川県 | - | 加賀棒茶、中居茶 |
福井県 | - | - |
岐阜県 | 美濃茶 | 美濃白川茶、揖斐茶、恵那茶、下呂茶、津保茶、郡上番茶 |
静岡県 | 静岡茶 | 静岡茶、川根茶、天竜茶、本山茶(ほんやまちゃ)・玉露本山茶、掛川茶、沼津茶、牧ノ原茶、春野茶、富士茶、裾野茶、朝比奈茶・朝比奈玉露、安倍茶、清水のお茶、朝比奈、岡部茶・玉露岡部茶、藤枝茶、志太茶、榛原茶、島田茶、金谷茶、さがら茶、御前崎茶、菊川茶、小笠茶、袋井茶、磐田茶、遠州森の茶、浜松茶、足久保茶、両河内茶(りょうごうちちゃ)、庵原茶(いはらちゃ)、梅ヶ島茶、榛原茶(はいばらちゃ)、みくりや茶、渋川茶、井川茶、新山茶、水窪茶(みさくぼちゃ) |
愛知県 | - | 西尾茶、西尾の抹茶・新城茶、豊橋茶、三河茶、足助寒茶(あすけかんちゃ) |
三重県 | 伊勢茶 | 伊勢茶、度会茶(わたらいちゃ)、 飯南茶、鈴鹿茶、大台茶、亀山茶、水沢茶(すいざわちゃ)、美杉茶、香肌茶、伊賀茶、菰野茶、石榑茶(いしぐれちゃ)、芸濃茶、越賀茶 |
滋賀県 | 近江茶 | 朝宮茶、政所茶、土山茶、水口茶 |
京都府 | 宇治茶 | 宇治茶、和束茶、綾部茶、両丹茶、京番茶 |
大阪府 | - | - |
兵庫県 | - | 丹波茶、母子茶(もうしちゃ)、朝来みどり、やしろ茶、あさぎり茶 |
奈良県 | 大和茶 | 大和茶、月ヶ瀬茶、福住茶、柳生茶、山添茶 |
和歌山県 | - | 色川茶、川添茶、音無茶 |
鳥取県 | - | 鹿野茶、智頭茶・日干し茶 |
島根県 | - | 島根茶、出雲茶、伯太茶・伯太番茶、大東茶・大東番茶、唐川番茶、(島根茶) |
岡山県 | - | 岡山茶、美作茶、海田茶、武蔵番茶、富原茶、作州番茶 |
広島県 | - | 世羅茶 |
山口県 | 山口茶 | 山口茶、小野茶 |
徳島県 | - | 阿波茶、阿波晩茶、寒茶、相生緑茶、歩危茶 |
香川県 | 香川茶 | 香川茶、高瀬茶 |
愛媛県 | - | 愛媛茶、新宮茶、久万茶、鬼北茶、宇和茶 |
高知県 | 土佐茶 | 土佐茶、四万十茶 |
福岡県 | 福岡の八女茶 | 八女茶、星野茶 |
佐賀県 | 嬉野茶 | 嬉野茶、唐津茶 |
長崎県 | 嬉野茶 | 長崎茶、彼杵茶、世知原茶、ごとう茶 |
熊本県 | くまもと茶 | 熊本茶、矢部茶、泉茶、相良茶、鹿北茶、水俣茶、岳間茶 |
大分県 | - | 大分茶、邪馬渓茶、因尾茶、さつき茶、津江茶 |
宮崎県 | 宮崎茶 | 宮崎茶、都城茶、日向茶、延岡茶、五ヶ瀬釜炒茶、高瀬穂釜炒茶 |
鹿児島県 | かごしま茶 | 鹿児島茶、種子島茶、屋久島茶、さつま茶、宮之城茶、ひおき茶、まつもと茶、知覧茶、枕崎茶、霧島茶、財部茶、曽於茶、末吉茶、志布志茶、有明茶、かのや茶、田代茶、大根占茶、種子島茶、みぞべ茶、えい茶 |
沖縄県 | 沖縄茶、やんばる茶 |
日本茶の品種一覧
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