- 宇治茶(うじちゃ)
- 和束茶(わづかちゃ)
- 綾部茶(あやべちゃ)
- 両丹茶(りょうたんちゃ)
- 京番茶(きょうばんちゃ)
京都府のお茶について
概要・データ
京都は、日本におけるお茶文化の中心地の一つであり、特に宇治茶は国内外で高く評価されています。宇治茶をはじめ、和束茶、綾部茶、両丹茶、京番茶など、京都府のお茶はその独特の風味と品質で知られています。
京都府の茶業統計によると、この地域は茶の栽培に必要な年降雨量1,500mm以上を有し、温暖な気候が特徴です。これにより、茶葉は厚く、滋味濃厚で、3煎目まで味や香りの変化がないとされます。京都府の茶園は主に北勢地域と中南勢地域に位置しており、煎茶、かぶせ茶、深蒸し煎茶などの特色ある茶が生産されています。京都府は茶の栽培が10世紀初頭から始まり、江戸時代には輸出も行われていたため、長い歴史と伝統を持つ茶産地です。
令和4年のデータによると、荒茶の生産量は2,450tトン、生産量に対する割合3.1%、全国5位というデータがあります。
農林水産省:作物統計より
京都府のお茶の歴史
京都府のお茶の歴史は古く、特に宇治地域は日本のお茶文化発祥の地の一つとされています。宇治茶は、その長い歴史と伝統的な製法により、日本のお茶文化を代表する存在です。和束茶、綾部茶なども、それぞれの地域で長い歴史を持ち、伝統的な製法が受け継がれています。
なぜ抹茶といえば京都なのか
お茶の原産地は中国で現在の雲南省のあたりで生まれたという説があります。日本には平安時代に遣唐使として唐に渡った最澄が持ち帰ったとされています。
当時の都は平安京は京都でした。唐から帰国し、平安京に帰った最澄は桓武天皇にお茶を勧め、そのまま都でお茶の栽培を始めまたと言われています。
その後、戦国時代には千利休に代表されるように茶の湯の文化が盛んになります。当時の都も京都で、茶の湯の文かも同じくして京都で発展していき、今日までその歴史が続いています。
千利休(せんの りきゅう、せん りきゅう、大永2年(1522年) – 天正19年2月28日(1591年4月21日))は、戦国時代から安土桃山時代にかけての茶人、商人。
わび茶(草庵の茶)の完成者として知られ、茶聖とも称せられる。また、今井宗久、津田宗及とともに茶湯の天下三宗匠と称せられ、「利休七哲」に代表される数多くの弟子を抱えた。また、末吉孫左衛門の親族である平野勘平衛利方と親しく交流があった。子孫は茶道の三千家として続いている。
Wikipedia(ウィキペディア)
文化に溶け込むお茶
京都には、お茶が人々の文化に深く溶け込んでいると感じる人も多いのではないでしょうか。
茶の湯にはじまる茶会、茶道、茶菓子や茶懐石、お抹茶など、お茶は京都の文化の中で溶け込みながら発展したきたともいえます。
京都府のお茶の銘柄
宇治茶(うじちゃ)
宇治茶は、日本で最も名高いお茶の一つで、その特徴は深い歴史と独特の製法にあります。宇治茶は主に煎茶、抹茶、玉露の形で知られています。煎茶は、旨みと渋みのバランスが取れた、さわやかな風味が特徴です。抹茶は、石臼で細かく挽いた緑茶で、その鮮やかな色と濃厚な風味が特徴的です。玉露は、茶葉を日光から遮ることにより、甘みが強く、旨みが豊富な高級茶として知られています。これらのお茶は、宇治の豊かな自然と伝統的な製法により、独特の味わいを持つ高品質な茶葉として製造されています。
和束茶(わづかちゃ)
和束茶は、京都府南部の和束町で生産されるお茶で、その独特の甘みと香りが特徴です。この地域の肥沃な土壌と温暖な気候が、和束茶の品質を高めています。
綾部茶(あやべちゃ)
綾部茶は、京都府北部の綾部市周辺で生産されるお茶です。この地域の清らかな水と良質な土壌が、独特の風味をもたらしています。
両丹茶(りょうたんちゃ)
両丹茶は、京都府北部、丹波・丹後地域で生産されるお茶で、独特の甘みと旨味が特徴です。この地域の自然環境が、両丹茶の品質を高めています。
京番茶(きょうばんちゃ)
錦市場商店街を歩くと京番茶のいい匂いがただよってきます。
京番茶は、京都で古くから親しまれている日常茶です。「ほうじ番茶」や「炒り番茶」とも呼ばれています。
春や秋に茎ごと刈り取った大ぶりの茶葉を、揉まずに乾燥させて炒ったもので、独特のスモーキーな香りと、やさしい味わいが特徴です。
水色がほうじ茶に似ていますが、味も香りも全く別のお茶です。
焙じられた香ばしい香りと、カフェインが少なくすっきりとした味わいが特徴で、日常的に楽しまれています。
京都府のお茶の品種・製法
京都府で生産される代表的なお茶には、伝統的な煎茶、かぶせ茶、深蒸し煎茶があります。煎茶は日本で最も一般的な緑茶で、旨味と渋味が調和したさわやかな味が特徴です。かぶせ茶は、黒いネットで茶の樹を覆い、直射日光を遮ることで柔らかな葉に育てた高級茶で、渋みが少なく、うまみ成分が豊富です。深蒸し煎茶は茶葉の蒸し時間を長くすることで、渋みが少なく、香り豊かに仕上がります。これらのお茶は、京都の温暖な気候と肥沃な土壌で栽培され、伝統的な製法によって製造されています。
京都府で生産されるお茶の主な品種には、「やぶきた」や「さえみどり」などがあります。製法に関しては、地域によって異なる特色がありますが、伝統的な蒸し製法が多く用いられています。宇治茶の製造においては、特に抹茶や玉露の製造に精巧な技術が要求されます。
京都府の地域団体商標されている日本茶の銘柄(地域ブランド)
商標登録第6152251号 宇治煎茶(うじせんちゃ)
商標 | 宇治煎茶 |
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権利者 | 京都府茶協同組合(京都府宇治市宇治折居25番) |
指定商品又は指定役務 | 京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した煎茶 |
商品・サービスの特徴 | 江戸時代中期(18世紀中頃)に、永谷宗圓により、蒸した茶の新芽を焙炉の上で揉み乾燥させる、画期的な「宇治製法(青製煎茶法)」が生み出されました。宇治製法で作られる「宇治煎茶」は、甘みと渋みのバランスがよくさっぱりとした味わいです。 |
商標登録第6152252号 宇治玉露(うじぎょくろ)
商標 | 宇治玉露 |
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権利者 | 京都府茶協同組合(京都府宇治市宇治折居25番) |
指定商品又は指定役務 | 京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した煎茶 |
商品・サービスの特徴 | 「宇治玉露」は、室町時代に始まったとされる抹茶の製法のひとつである覆い下栽培と江戸時代中期から始まった煎茶製法のひとつである宇治製法とが、一つになり誕生しました。「宇治茶」における製茶技術の至高ともいうべきお茶として、低温で抽出した「宇治玉露」は渋味が少なく、旨味や甘味が強いのが特徴です。 |
商標登録第6205526号 宇治碾茶(うじてんちゃ)
商標 | 宇治碾茶 |
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権利者 | 特定非営利活動法人宇治碾茶生産振興会(京都府宇治市小倉町久保36番地) |
指定商品又は指定役務 | 京都府宇治市・城陽市に立地する覆下園(直掛けは除く。)で、本ずまたは寒冷紗による2重被覆が30日以上なされた自然仕立ての一番茶を手摘みし、同地域において専ら碾茶の乾燥のために設計された炉または設備で加工した碾茶のうち、特定非営利活動法人宇治碾茶生産振興会が管理するデータベースに登録された碾茶 |
商品・サービスの特徴 | 京都府宇治市および周辺地域は、抹茶の原料となる「碾茶(てんちゃ)」栽培の中心地として、700年以上の歴史を積み重ねてきました。覆下茶園(おおいしたちゃえん)と呼ばれる、日光を遮った茶畑のなかで育った茶葉を、一枚ずつ丁寧に手摘みして収穫して作られる「碾茶」は、深く鮮やかな緑色と豊かな旨味が持ち味です。宇治市の茶生産者により2017年に結成された特定非営利活動法人「宇治碾茶生産振興会」では、以下の条件を満たす「碾茶」を「宇治碾茶」と定め、「宇治碾茶」の品質の特徴や歴史・文化的背景を国内外の方にお伝えする取組を行っています。・棚施設による30日以上の被覆がなされた茶葉であること・本ずによる被覆、または寒冷紗による2重被覆がなされた茶葉であること・自然仕立ての状態から収穫された一番茶であること・手摘みにより収穫された茶葉であること・専ら「碾茶」の乾燥のために設計された炉または設備で加工された茶葉であること・宇治碾茶生産振興会が管理するデータベースに登録された茶葉であること |
商標登録第6226519号 宇治抹茶(うじまっちゃ)
商標 | 宇治抹茶 |
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権利者 | 京都府茶協同組合(京都府宇治市宇治折居25番) |
指定商品又は指定役務 | 京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した茶を、粉砕・挽臼加工した抹茶 |
商品・サービスの特徴 | 宇治抹茶は、京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を京都府内業者が京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工した茶を、粉砕・挽臼加工し微粉末状にしたものです。 香り高く、質の良い宇治抹茶は甘さと渋さのバランスが良く、上品でまろやかな味わいがあり、他の茶種とは違い茶葉全てをいただけますので、健康に良いとされる成分を取ることができます |
日本茶の産地まとめ
日本全国のお茶の産地を紹介しています。都道府県のリンクから詳細記事を読むことができます。
日本茶の銘柄まとめ
茶らぼでは、全国の日本茶銘柄の一覧をまとめています。
都道府県のリンクから詳細記事を読むことができます。
都道府県 | 府県銘柄 | 銘柄|生産地名(地域)からの呼称 |
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北海道 | - | - |
青森県 | - | 黒石茶 |
岩手県 | - | 気仙茶、陸前茶 |
宮城県 | - | 桃生茶 |
秋田県 | - | 檜山茶 |
山形県 | - | 庄内産茶 |
福島県 | - | - |
茨城県 | - | 茨城茶、猿島茶、奥久慈茶、古内茶 |
栃木県 | - | 鹿沼茶・黒羽茶・(須香川茶) |
群馬県 | - | - |
埼玉県 | 狭山茶 | 狭山茶、河越茶(川越茶)、秩父茶、児玉茶 |
千葉県 | - | 佐倉茶、八街茶(やちまたちゃ) |
東京都 | 狭山茶 | 東京狭山茶 |
神奈川県 | 足柄茶 | 足柄茶 |
山梨県 | - | 南部茶 |
長野県 | - | 伊那茶、赤石銘茶 |
新潟県 | 村上茶 | 村上茶 |
富山県 | 富山茶 | バタバタ茶(黒茶) |
石川県 | - | 加賀棒茶、中居茶 |
福井県 | - | - |
岐阜県 | 美濃茶 | 美濃白川茶、揖斐茶、恵那茶、下呂茶、津保茶、郡上番茶 |
静岡県 | 静岡茶 | 静岡茶、川根茶、天竜茶、本山茶(ほんやまちゃ)・玉露本山茶、掛川茶、沼津茶、牧ノ原茶、春野茶、富士茶、裾野茶、朝比奈茶・朝比奈玉露、安倍茶、清水のお茶、朝比奈、岡部茶・玉露岡部茶、藤枝茶、志太茶、榛原茶、島田茶、金谷茶、さがら茶、御前崎茶、菊川茶、小笠茶、袋井茶、磐田茶、遠州森の茶、浜松茶、足久保茶、両河内茶(りょうごうちちゃ)、庵原茶(いはらちゃ)、梅ヶ島茶、榛原茶(はいばらちゃ)、みくりや茶、渋川茶、井川茶、新山茶、水窪茶(みさくぼちゃ) |
愛知県 | - | 西尾茶、西尾の抹茶・新城茶、豊橋茶、三河茶、足助寒茶(あすけかんちゃ) |
三重県 | 伊勢茶 | 伊勢茶、度会茶(わたらいちゃ)、 飯南茶、鈴鹿茶、大台茶、亀山茶、水沢茶(すいざわちゃ)、美杉茶、香肌茶、伊賀茶、菰野茶、石榑茶(いしぐれちゃ)、芸濃茶、越賀茶 |
滋賀県 | 近江茶 | 朝宮茶、政所茶、土山茶、水口茶 |
京都府 | 宇治茶 | 宇治茶、和束茶、綾部茶、両丹茶、京番茶 |
大阪府 | - | - |
兵庫県 | - | 丹波茶、母子茶(もうしちゃ)、朝来みどり、やしろ茶、あさぎり茶 |
奈良県 | 大和茶 | 大和茶、月ヶ瀬茶、福住茶、柳生茶、山添茶 |
和歌山県 | - | 色川茶、川添茶、音無茶 |
鳥取県 | - | 鹿野茶、智頭茶・日干し茶 |
島根県 | - | 島根茶、出雲茶、伯太茶・伯太番茶、大東茶・大東番茶、唐川番茶、(島根茶) |
岡山県 | - | 岡山茶、美作茶、海田茶、武蔵番茶、富原茶、作州番茶 |
広島県 | - | 世羅茶 |
山口県 | 山口茶 | 山口茶、小野茶 |
徳島県 | - | 阿波茶、阿波晩茶、寒茶、相生緑茶、歩危茶 |
香川県 | 香川茶 | 香川茶、高瀬茶 |
愛媛県 | - | 愛媛茶、新宮茶、久万茶、鬼北茶、宇和茶 |
高知県 | 土佐茶 | 土佐茶、四万十茶 |
福岡県 | 福岡の八女茶 | 八女茶、星野茶 |
佐賀県 | 嬉野茶 | 嬉野茶、唐津茶 |
長崎県 | 嬉野茶 | 長崎茶、彼杵茶、世知原茶、ごとう茶 |
熊本県 | くまもと茶 | 熊本茶、矢部茶、泉茶、相良茶、鹿北茶、水俣茶、岳間茶 |
大分県 | - | 大分茶、邪馬渓茶、因尾茶、さつき茶、津江茶 |
宮崎県 | 宮崎茶 | 宮崎茶、都城茶、日向茶、延岡茶、五ヶ瀬釜炒茶、高瀬穂釜炒茶 |
鹿児島県 | かごしま茶 | 鹿児島茶、種子島茶、屋久島茶、さつま茶、宮之城茶、ひおき茶、まつもと茶、知覧茶、枕崎茶、霧島茶、財部茶、曽於茶、末吉茶、志布志茶、有明茶、かのや茶、田代茶、大根占茶、種子島茶、みぞべ茶、えい茶 |
沖縄県 | 沖縄茶、やんばる茶 |
日本茶の品種一覧
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