煎茶・深蒸し煎茶|煎茶と深蒸し煎茶の特徴や違い、カフェイン量、美味しい淹れ方について

煎茶・深蒸し煎茶|茶らぼ
目次

煎茶(せんちゃ)について

引用:お茶百科

煎茶の特徴

煎茶は、日本で最も一般的に飲まれる緑茶の一種です。ペットボトルのお茶も煎茶が一般的です。

煎茶は、新芽を摘んで蒸して乾燥させることで作られ、その過程で独特の香りと味が生まれます。煎茶の特徴は、その明るい緑色と透明感のある湯色、爽やかな香り、そしてバランスの取れた苦味と旨味です。

高品質の煎茶は、さっぱりとした飲み口でありながらも、深い味わいを持っています。

煎茶に含まれるカフェイン

煎茶にはカフェインが含まれており、その量は茶葉の種類や抽出方法によって異なりますが、一般的には一杯あたり20mgから60mg程度です。カフェイン含有量は摘み取る時期が早いほど高くなる傾向にあります。

日本食品標準成分表では、100mlあたり約20mgのカフェインが含まれているとされています。

種類100mlあたりのカフェイン含有量
ほうじ茶20mg
煎茶20mg
玉露160mg
抹茶64mg
釜炒り茶10mg
番茶10mg
玄米茶10mg
烏龍茶20mg
麦茶0mg
コーヒー60mg
紅茶30mg
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

煎茶の最適な温度・抽出時間

煎茶を美味しく入れるための最適な水温は約70℃〜80℃です。高すぎる温度では苦味が強くなりすぎます。適切な抽出時間は約1分間。短すぎると旨味が引き出せず、長すぎると苦味が強くなります。

煎茶の生産が盛んな産地

煎茶は日本の緑茶の中でも最もポピュラーな種類であり、日本各地で生産されていますが、特に以下の地域が有名です:

  • 静岡県: 日本における煎茶の最大の生産地です。静岡県は、茶畑が広大で、温暖な気候と豊かな自然が茶の栽培に適しています。特に掛川、牧之原、島田などの地域は高品質な煎茶で知られています。
  • 京都府: 宇治地域は、日本で最も歴史ある茶の生産地の一つであり、宇治茶はその高品質で有名です。宇治茶は、深い味わいと独特の香りが特徴です。
  • 奈良県: 奈良もまた古くからの茶の生産地であり、特に吉野地域は良質な煎茶の産地として知られています。
  • 三重県: 伊勢茶は三重県の代表的な煎茶で、芳醇な香りと深みのある味わいが特徴です。
  • 鹿児島県: 南日本最大の茶の生産地であり、近年品質の向上に力を入れています。鹿児島の煎茶は、独特の甘みと濃厚な味わいが魅力です。

深蒸し煎茶(ふかむしせんちゃ)について

引用:お茶百科

深蒸し煎茶の特徴

深蒸し煎茶は、通常の煎茶よりも長い時間蒸して製造される緑茶です。この長い蒸し時間により、茶葉が細かく砕けやすくなり、お茶の色が濃く、味が濃厚になります。深蒸し煎茶の特徴は、その豊かな旨味と甘み、そして低い渋味です。また、クリーミーな泡が立ちやすく、口当たりが滑らかです。

深蒸し煎茶に含まれるカフェイン

深蒸し煎茶も煎茶と同様にカフェインを含んでいますが、蒸し時間が長いため、茶葉からカフェインが抽出されやすくなります。そのため、通常の煎茶と比較してカフェイン含有量がわずかに高くなることがあります。

深蒸し煎茶の最適な温度・抽出時間

深蒸し煎茶は、通常の煎茶よりもやや高めの温度、約80℃で抽出するのが理想的です。抽出時間は短めの約15秒〜30秒が適しています。高温や長時間の抽出は、茶葉の細かい粒子が出すぎて苦味や渋味が強くなる原因となります。

下にお茶の種類ごとに適温と抽出時間を紹介しています。

ただし、複数のサイトを調査した結果、お湯の温度と抽出時間について紹介しているサイトごとに微妙に異なる結果になりました。そのため、深蒸し煎茶の場合は、購入する店舗やウェブサイトで最適な淹れ方を確認することをおすすめします。

種類お湯の温度抽出時間
煎茶70~80度30秒〜45秒
深蒸し煎茶80度15秒〜30秒
玉緑茶70~75度1分
ほうじ茶100度45秒
番茶100度30秒
玉露50度〜60度2分
玄米茶100度30秒
紅茶100度2分〜3分

深蒸し煎茶の生産が盛んな産地

現在、深蒸し煎茶は、その製法が開発された静岡県を中心に、三重県鹿児島県福岡県などで生産がされています。

煎茶と深蒸し煎茶の違い

煎茶と深蒸し煎茶の主な違いは、製造過程における蒸し時間の長さにあります。通常の煎茶は比較的短時間蒸されるため、茶葉がしっかりと形を保ち、清涼感のある味わいが特徴です。一方、深蒸し煎茶は長時間蒸されることにより、茶葉が細かくなり、濃厚な味わいとクリーミーな口当たりが特徴です。また、深蒸し煎茶は旨味と甘みが強く、渋味が少ないため、緑茶が苦手な方にも飲みやすいと言われています。

見た目の違いとしては、煎茶が綺麗で整った茶葉の形をしているのに対して、深蒸し煎茶は細かく粉っぽくなっているのが特徴です。

また、深蒸し煎茶は抽出しやすいお茶のため、水出しにも向いています。

要素煎茶 (Sencha)深蒸し煎茶 (Fukamushi Sencha)
製造過程新芽を摘んで蒸し、乾燥させる通常の煎茶より長い時間蒸して製造
蒸し時間短時間(約20秒~1分)長時間(約1分~2分)
茶葉の特徴形が整っており、しっかりとした葉細かく砕けやすく、濃い緑色
明るい緑色濃い緑色
味わいバランスの取れた苦味と旨味豊かな旨味と甘み、低い渋味
口当たりさっぱりとしているクリーミーで滑らか
カフェイン含有量100mlあたり約20mg若干高め(煎茶よりわずかに多い)

お茶の種類まとめ

こちらの記事ではお茶の種類について幅広くまとめています。

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この記事を書いた人

日本茶発見メディア茶らぼ編集部

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