- 鹿児島茶(かごしまちゃ)
- さつま茶(さつまちゃ)
- 宮之城茶(みやのじょうちゃ)
- ひおき茶(ひおきちゃ)
- まつもと茶(まつもとちゃ)
- 知覧茶(ちらんちゃ)
- 枕崎茶(まくらざきちゃ)
- 霧島茶(きりしまちゃ)
- 財部茶(たからべちゃ)
- 曽於茶(そおちゃ)
- 末吉茶(すえよしちゃ)
- 志布志茶(しぶしちゃ)
- 有明茶(ありあけちゃ)
- かのや茶(かのやちゃ)
- 田代茶(たしろちゃ)
- 大根占茶(だいこんうらんちゃ)
- 種子島茶(たねがしまちゃ)
- 屋久島茶(やくしまちゃ)
- みぞべ茶(みぞべちゃ)
- えい茶(えいちゃ)
鹿児島県のお茶について
概要
- 第二位の生産量: 鹿児島県は日本で静岡県に次いで第二位の茶の生産量を誇ります。近年では抹茶のもとであるてん茶の生産量も増えています。
- 豊かな自然環境: 温暖な気候と肥沃な土壌が特徴で、これが高品質なお茶の生産に貢献しています。
- 多様な品種: 主に「やぶきた」をはじめ、「ゆたかみどり」や「あさつゆ」など多様な品種が栽培されています。
- 品質に対する注力: 生産過程の近代化と効率化が進み、品質への注力が進んでいます。
- 地域ごとの特色: 知覚や霧島、枕崎など、各地域には独特の風味を持つ銘柄が存在します。
データと統計
- 荒茶生産量: 平成28年の荒茶生産量は約24,600トンに達しました。現在も年々増加しており、令和4年26,700トンに達(全国2位、約34%)しています。なお、茶葉の生産高では静岡を抜いて全国一位(130,400トン、約39.4%)となりました。
- 主要な産地: 南九州市、志布志市、霧島市、枕崎市などが主要な産地です。
- 栽培面積: 鹿児島県全体での茶の栽培面積は広大で、機械化栽培が盛んです。
- 生産の特徴: 摘採の効率化と茶畑の管理作業の省力化・低コスト化が進められています。
特徴的な製品
- 大走り新茶: 日本で最初に収穫される新茶として知られています。
- 地域ブランド: 1985年頃から地域ブランドとしての販売戦略が強化されています。
鹿児島県のお茶の歴史
鹿児島茶の歴史は長く、日本の開国をきっかけに輸出用茶葉の栽培が盛んになりました。明治時代には品質向上のための組合が結成され、昭和時代からは、かごしま茶としての地域ブランド化が進められています。2000年代以降はペットボトル飲料用向けに力を注ぎ、生産量及び栽培面積を増やしてきました。
鹿児島県が日本茶生産高で首位になった背景
鹿児島県は温暖な気候と豊かな土壌を持ち、茶の栽培に適しています。これにより、高品質なお茶の生産が可能となっています。また、鹿児島県では、一般的な「やぶきた」品種の他にも「ゆたかみどり」や「あさつゆ」といった多様な品種が栽培されています。この品種の多様性が、さまざまな味わいのお茶を生産することを可能にしています。
荒茶生産量一位の静岡と比較すると、静岡は坂が多いのに対して、鹿児島県は、知覧茶の産地で知られる南九州市などの平地で、大型機械を使った大規模な茶栽培が盛んに行われています。生葉の収穫量や荒茶の生産量は微増傾向で産出額も安定。将来の経営見通しが立ちやすいことから担い手不足の問題も深刻化していないといいます。
農水省のデータにも、コスト削減と生産量の増加が見てとれます。
鹿児島県のお茶の銘柄
鹿児島茶(かごしまちゃ)
鹿児島茶は、濃厚でコクのある風味が特徴のお茶です。温暖な気候で栽培され、鹿児島県全域で生産されています。様々な品種が栽培され、そのブレンドにより様々な風味が楽しめます。
さつま茶(さつまちゃ)
さつま茶は、さつま地域で生産されるお茶で、香り高く品質の高さが特徴です。この地域の気候と土壌が独特の風味を生み出しています。
宮之城茶(みやのじょうちゃ)
宮之城茶はさつま地域の一部で生産され、独特の風味を持つお茶です。地域固有の栽培方法により、その味わいが形成されています。
ひおき茶(ひおきちゃ)
ひおき茶は日置地域で生産されるお茶で、その独特の味わいが特徴です。この地域の環境が生み出す独自の風味が魅力です。
まつもと茶(まつもとちゃ)
まつもと茶は松元地域で生産されるお茶で、高品質で知られています。この地域特有の栽培技術により、その味わいが形成されています。
知覧茶(ちらんちゃ)
知覧茶は、知覧地域で生産されるお茶で、甘みと香りが豊かなのが特徴です。この地域の自然環境が生み出す特有の風味が楽しめます。
枕崎茶(まくらざきちゃ)
枕崎茶は枕崎地域で生産されるお茶で、その独特の風味が特徴です。この地域の気候と土壌が、特有の味わいを生み出しています。
各銘柄は、鹿児島県の異なる地域で生産され、それぞれの地域の気候や土壌、栽培方法によって独特の風味が形成されています
霧島茶(きりしまちゃ)
霧島地域で生産され、その名の通り霧島山の豊かな自然が育むお茶です。香り高く、深い味わいが特徴です。
財部茶(たからべちゃ)
財部地域で生産されるお茶で、その独特の風味と品質が評価されています。
曽於茶(そおちゃ)
曽於市で生産され、地域特有の風土が生み出す風味が特徴です。
末吉茶(すえよしちゃ)
末吉地域で栽培されるお茶で、独特の風味を持つ高品質なお茶として知られています。
志布志茶(しぶしちゃ)
志布志地域で生産されるお茶で、その独特な味わいが特徴です。
有明茶(ありあけちゃ)
有明地域で生産されるお茶で、独特の風味があります。
かのや茶(かのやちゃ)
鹿屋市で生産されるお茶で、独特の味わいが特徴です。
田代茶(たしろちゃ)
田代地域で生産されるお茶で、地域固有の風味が楽しめます。
大根占茶(だいこんうらんちゃ)
大根占地域で生産されるお茶で、その特有の風味が特徴です。
種子島茶(たねがしまちゃ)
種子島で生産されるお茶で、独特の風味があります。
屋久島茶(やくしまちゃ)
屋久島で生産されるお茶で、特有の風味と品質が評価されています。
みぞべ茶(みぞべちゃ)
みぞべ地域で生産されるお茶で、その独特な風味が特徴です。
えい茶(えいちゃ)
えい地域で生産されるお茶で、地域固有の風味が楽しめます。
これらのお茶は、それぞれ鹿児島県の異なる地域で生産されており、地域ごとの気候や土壌、栽培方法によって独特の風味が形成されています。
鹿児島茶の製造と普及活動
鹿児島県では、ペットボトル飲料向けの需要拡大に注力し、多様な品種を栽培することで、一・二番茶だけでなく、秋冬番茶まで幅広く生産しています。また、機械化やスマート農業の導入により、生産量及び栽培面積を年々増やしています。
鹿児島県では、全国各地の様々なイベントに出店し、「かごしま百円茶屋」などを通じて鹿児島茶の普及活動を行っています。また、鹿児島県茶業会議所が定めた「かごしま標章茶規格基準」に合格した茶には、特定のシンボルマークが表示され、これにより高品質のお茶を消費者に提供しています。
鹿児島のお茶の品種と製法
鹿児島県では、さまざまな品種が生産されており、その中でも代表的なものには以下のような品種があります:
- やぶきた: 全国に普及している広域適応性の代表品種です。新鮮な香りと味の濃さが特徴です。
- ゆたかみどり: 鹿児島の早生品種で、温暖地帯に適した品種です。摘採前に被覆し、深蒸しで製造されることで、濃厚な旨味とコクのある味になります。
- さえみどり: 早生品種で、澄んだ青みの水色が特徴。甘味成分が多く含まれています。
- あさつゆ: 摘採前に被覆し、深蒸しで製造され、濃厚な水色とうま味が得られます。
鹿児島県の地域団体商標されている日本茶の銘柄(地域ブランド)
知覧茶
知覧茶は、鹿児島県の南部、特に知覧町を中心とした地域で生産される日本茶の地域ブランドです。
この地域は温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれており、これが高品質なお茶の生産に最適な環境を提供します。
知覧茶は、その独特の甘みとまろやかな味わい、豊かな香りが特徴で、地元の茶農家によって丁寧に栽培・加工されています。伝統的な製法と最新の技術が融合し、一年を通して安定した品質のお茶が生産されています。
かごしま知覧茶
かごしま知覧茶も、鹿児島県知覧地域で生産される日本茶の地域ブランドですが、こちらはさらに地域の特性に焦点を当て、鹿児島茶の中でも特に高い品質と独特の風味を追求しています。
かごしま知覧茶は、知覚特有の気候条件と肥沃な土壌を最大限に活かした茶の栽培方法により、独自の品質基準を満たしたお茶のみを「かごしま知覧茶」として販売しています。
日本茶の産地まとめ
日本全国のお茶の産地を紹介しています。都道府県のリンクから詳細記事を読むことができます。
日本茶の銘柄まとめ
茶らぼでは、全国の日本茶銘柄の一覧をまとめています。
都道府県のリンクから詳細記事を読むことができます。
都道府県 | 府県銘柄 | 銘柄|生産地名(地域)からの呼称 |
---|---|---|
北海道 | - | - |
青森県 | - | 黒石茶 |
岩手県 | - | 気仙茶、陸前茶 |
宮城県 | - | 桃生茶 |
秋田県 | - | 檜山茶 |
山形県 | - | 庄内産茶 |
福島県 | - | - |
茨城県 | - | 茨城茶、猿島茶、奥久慈茶、古内茶 |
栃木県 | - | 鹿沼茶・黒羽茶・(須香川茶) |
群馬県 | - | - |
埼玉県 | 狭山茶 | 狭山茶、河越茶(川越茶)、秩父茶、児玉茶 |
千葉県 | - | 佐倉茶、八街茶(やちまたちゃ) |
東京都 | 狭山茶 | 東京狭山茶 |
神奈川県 | 足柄茶 | 足柄茶 |
山梨県 | - | 南部茶 |
長野県 | - | 伊那茶、赤石銘茶 |
新潟県 | 村上茶 | 村上茶 |
富山県 | 富山茶 | バタバタ茶(黒茶) |
石川県 | - | 加賀棒茶、中居茶 |
福井県 | - | - |
岐阜県 | 美濃茶 | 美濃白川茶、揖斐茶、恵那茶、下呂茶、津保茶、郡上番茶 |
静岡県 | 静岡茶 | 静岡茶、川根茶、天竜茶、本山茶(ほんやまちゃ)・玉露本山茶、掛川茶、沼津茶、牧ノ原茶、春野茶、富士茶、裾野茶、朝比奈茶・朝比奈玉露、安倍茶、清水のお茶、朝比奈、岡部茶・玉露岡部茶、藤枝茶、志太茶、榛原茶、島田茶、金谷茶、さがら茶、御前崎茶、菊川茶、小笠茶、袋井茶、磐田茶、遠州森の茶、浜松茶、足久保茶、両河内茶(りょうごうちちゃ)、庵原茶(いはらちゃ)、梅ヶ島茶、榛原茶(はいばらちゃ)、みくりや茶、渋川茶、井川茶、新山茶、水窪茶(みさくぼちゃ) |
愛知県 | - | 西尾茶、西尾の抹茶・新城茶、豊橋茶、三河茶、足助寒茶(あすけかんちゃ) |
三重県 | 伊勢茶 | 伊勢茶、度会茶(わたらいちゃ)、 飯南茶、鈴鹿茶、大台茶、亀山茶、水沢茶(すいざわちゃ)、美杉茶、香肌茶、伊賀茶、菰野茶、石榑茶(いしぐれちゃ)、芸濃茶、越賀茶 |
滋賀県 | 近江茶 | 朝宮茶、政所茶、土山茶、水口茶 |
京都府 | 宇治茶 | 宇治茶、和束茶、綾部茶、両丹茶、京番茶 |
大阪府 | - | - |
兵庫県 | - | 丹波茶、母子茶(もうしちゃ)、朝来みどり、やしろ茶、あさぎり茶 |
奈良県 | 大和茶 | 大和茶、月ヶ瀬茶、福住茶、柳生茶、山添茶 |
和歌山県 | - | 色川茶、川添茶、音無茶 |
鳥取県 | - | 鹿野茶、智頭茶・日干し茶 |
島根県 | - | 島根茶、出雲茶、伯太茶・伯太番茶、大東茶・大東番茶、唐川番茶、(島根茶) |
岡山県 | - | 岡山茶、美作茶、海田茶、武蔵番茶、富原茶、作州番茶 |
広島県 | - | 世羅茶 |
山口県 | 山口茶 | 山口茶、小野茶 |
徳島県 | - | 阿波茶、阿波晩茶、寒茶、相生緑茶、歩危茶 |
香川県 | 香川茶 | 香川茶、高瀬茶 |
愛媛県 | - | 愛媛茶、新宮茶、久万茶、鬼北茶、宇和茶 |
高知県 | 土佐茶 | 土佐茶、四万十茶 |
福岡県 | 福岡の八女茶 | 八女茶、星野茶 |
佐賀県 | 嬉野茶 | 嬉野茶、唐津茶 |
長崎県 | 嬉野茶 | 長崎茶、彼杵茶、世知原茶、ごとう茶 |
熊本県 | くまもと茶 | 熊本茶、矢部茶、泉茶、相良茶、鹿北茶、水俣茶、岳間茶 |
大分県 | - | 大分茶、邪馬渓茶、因尾茶、さつき茶、津江茶 |
宮崎県 | 宮崎茶 | 宮崎茶、都城茶、日向茶、延岡茶、五ヶ瀬釜炒茶、高瀬穂釜炒茶 |
鹿児島県 | かごしま茶 | 鹿児島茶、種子島茶、屋久島茶、さつま茶、宮之城茶、ひおき茶、まつもと茶、知覧茶、枕崎茶、霧島茶、財部茶、曽於茶、末吉茶、志布志茶、有明茶、かのや茶、田代茶、大根占茶、種子島茶、みぞべ茶、えい茶 |
沖縄県 | 沖縄茶、やんばる茶 |
日本茶の品種一覧
日本茶の品種についてもっと知りたいという方は日本茶の品種一覧をご覧ください。
関連リンク
「茶らぼ」では下記サイトの情報を引用または参照させていただいています。
- 農林水産省「作物統計」
- 農林水産省「お茶のページ」
- 農林水産省「茶をめぐる情勢」
- 農林水産省「茶畑から美味しいお茶が届くまで」
- 農林水産省「aff2022年4月号「日本茶の輸出」」
- 伊藤園運営:お茶百科
- 各都道府県のお茶の生産に関するページ
- 経済産業省特許庁「地域ブランドの保護は、地域団体商標制度で」
- 経済産業省特許庁「地域団体商標制度とは」
- 経済産業省特許庁「地域団体商標ガイドブック」
- 日本茶インストラクター協会