抹茶について
抹茶の特徴
抹茶は、その鮮やかな緑色とクリーミーで濃厚な味わいが特徴です。抹茶はてん茶を石臼で細かく挽いた緑茶の粉末で、甘み、旨味、苦味、渋味のバランスが絶妙です。
抹茶の製造プロセスでは、収穫前に茶の木を遮光することで、茶葉が濃い緑色を帯び、アミノ酸(特にテアニン)が豊富になります。この特殊な処理により、抹茶独特の風味が生まれます。
抹茶の歴史
抹茶の歴史は、12世紀に中国から日本へ伝わったとされています。禅僧によって日本に持ち込まれ、特に室町時代に茶道の文化とともに発展しました。抹茶は、日本の武士階級や禅宗の僧侶によって高く評価され、日本の伝統的な茶儀式の中心となりました。
抹茶に含まれるカフェイン
抹茶は、他の緑茶に比べてカフェイン含有量が高いです。一般的には、一杯あたり約30mgから70mgのカフェインが含まれています。抹茶のカフェインは、集中力を高め、リラックス効果をもたらすテアニンとの相乗効果により、穏やかな気分にさせるとされています。
日本食品標準成分表2020年版100mlあたり約64mgが含まれるとされています。この含有量はあくまで一つのサンプルですので、あくまで目安の数字と理解しましょう。
種類 | 100mlあたりのカフェイン含有量 |
---|---|
ほうじ茶 | 20mg |
煎茶 | 20mg |
玉露 | 160mg |
抹茶 | 64mg |
釜炒り茶 | 10mg |
番茶 | 10mg |
玄米茶 | 10mg |
烏龍茶 | 20mg |
麦茶 | 0mg |
コーヒー | 60mg |
紅茶 | 30mg |
抹茶の美味しい飲み方
抹茶はあまりご自身で入れることは少ない飲み物です。
抹茶用の茶道具を用意したうえで、お湯の温度は約80℃が理想的で、茶筅を使って粉末を湯と混ぜ合わせ、クリーミーな泡が立つまで混ぜます。この混ぜる時間は、おおよそ15秒から30秒程度といわれています。
以下は京都府から引用しました。これ以外にも美味しい抹茶の情報を発信しているサイトは複数ありますのでぜひ参考にしてみてください。
準備するもの:抹茶茶碗、茶せん、茶杓(ちゃしゃく)
ポイント
一度沸騰させたお湯を他の茶碗などに移して、温度を下げてから使います。
抹茶は一度茶こしでふるい、ダマをなくしてから使います。
茶碗と茶せんは温めておきます。
1 ふるった抹茶を茶杓2杯分( 約2グラム )茶碗に入れます。2 70から80度に冷ましたお湯を70ミリリットル準備し、そこから少量を茶碗に注ぎ、ダマができないように、茶せんで溶くようにして混ぜます。
3 残りのお湯を注いで、手首を前後に動かして最初は小刻みに、次は表面を整えるようにして混ぜます。大きな泡ができたら茶筅の先でつぶし、表面を整えるときれいに見えます。
4 泡が細かいほど口当たりがなめらかでおいしく仕上がります。
おいしいお菓子と一緒にゆっくり味わいましょう。抹茶茶碗がなければカフェオレボウルなど、何でも代用できます。
https://www.pref.kyoto.jp/chaken/irekata_maccha.html
茶杓がないときには、ティースプーンを使って下さい。その場合軽く1杯で2グラムです。
お湯の温度は夏はやや低め、冬はやや高めにするとおいしくいただけます。
抹茶の生産が盛んな地域
抹茶の生産は、特に京都府の宇治地域で有名です。
宇治は長い歴史と優れた茶の品質で知られており、日本の高品質な抹茶の代表格とされています。他にも愛知県の西尾や静岡県など、日本全国のいくつかの地域で生産されています。
抹茶の生産量一位は?
抹茶の生産量ランキングに関する記事では、京都府(宇治)、愛知県(西尾)、静岡県、奈良県、福岡県の抹茶(てん茶)生産についてや、全国茶品評会を紹介しています。
抹茶と煎茶の違い
- 製造方法: 抹茶は石臼で細かく挽いた粉末状のお茶であり、煎茶は乾燥させた茶葉の形状をそのまま利用します。
- 風味: 抹茶は濃厚で甘みが強く、クリーミーな味わいがあります。煎茶は、より爽やかで軽やかな風味が特徴です。
- 歴史と文化: 抹茶は日本の茶道文化と深く関連しており、煎茶は日常的に楽しまれるお茶です。
- 摂取する部分: 抹茶は茶葉全体を摂取する形となりますが、煎茶は茶葉から抽出した成分のみを飲むことになります。
- カフェイン含有量: 抹茶は煎茶よりもカフェイン含有量が高めです。
要素 | 抹茶 (Matcha) | 煎茶 (Sencha) |
---|---|---|
製造方法 | 石臼で細かく挽いた粉末状 | 乾燥させた茶葉 |
形状 | 粉末 | 葉状 |
風味 | 濃厚で甘みが強く、クリーミー | 爽やかで軽やか |
文化的背景 | 茶道文化と深く関連 | 日常的な飲用 |
カフェイン含有量 | 高め | 一般的 |
摂取する部分 | 茶葉全体を摂取 | 抽出した成分のみを飲む |
利用シーン | 茶会、デザートや飲料 | 日常的なお茶としての飲用 |
てん茶について
てん茶は、抹茶を作るための中間製品です。
てん茶の特徴
製造過程
- てん茶は抹茶の原料となる茶葉です。抹茶と同様、茶の木を遮光して栽培されます。
- 収穫後、茶葉は蒸され、乾燥され、茎や葉脈が除去されて、最終的には石臼で挽かれて抹茶になります。しかし、石臼で挽かれる前の状態がてん茶です。
特徴
- てん茶は、抹茶に比べて粗い質感を持ち、まだ粉末状ではありません。
- 抹茶ほどの濃厚さはないものの、茶葉の緑色が鮮やかで、抹茶と似た味わいと香りを持っています。
利用
- てん茶自体は通常、消費者に直接販売されることは少なく、主に抹茶の製造のために利用されます。ただし、特定の地域や茶専門店では、てん茶をそのまま飲用用に販売している場合もあります。
抹茶とてん茶は、同じ栽培・製造過程を経ていますが、てん茶は抹茶になる前の段階にあたります。
玉露と同じように被覆栽培で育てたてん茶の茶葉は、青海苔のような独特な香味があり、主に茶道のお点前用に使われています。また、被覆せずに育てた茶葉は、適度な渋みがあり、味と色合いで相性のよい洋菓子やアイスクリームなどの原料として使われています。
お茶の種類まとめ
こちらの記事ではお茶の種類について幅広くまとめています。